どうして太ってしまうのか?から考えることー『肥満の科学 リチャード・J・ジョンソン』

白いデジタル体重計の上に立ってる人 Uncategorized

前回、肥満の良いもの?!ということを『肥満の科学』という本から教えてもらいました。

視点を変えることによって、例えば、動物という視点から、時間軸の視点から、みると

肥満というものは、生きるために重要なものであるということを学びました。

それでは人間はどうして太ってしまうのか?ということをさらに学んでみたいと思います。

サバイバル・スイッチとは何か?

私たちが良くないものとして意識していた「メタボリック症候群」がまさか生命維持のための

重要な役割をしているという驚愕な事実を学びました。

そのようなシステムつまり、

通常は体重を一定の範囲に維持しているが、いったん生存が脅かされると

さまざまな生物学的プロセスを活性化させて脂肪をうやすというプロセスを、

私はサバイバル・スイッチと呼んでいる

とあります。

そして、そのプロセスはスイッチのようにオンとオフに切り替えが可能で、

さらに調光スイッチのように強弱を調整することが可能なのです。

このようなプロセスにより動物と同様に、脂肪がつくようになっているのです。

サバイバル・スイッチをオンにするものは何か?

ではサバイバル・スイッチをオンにするものは一体なんであるのか?

それは「果糖(フルクトース)」ではないかということです。

果糖自身が私たちを太らせるのではなく、果糖が細胞内に低エネルギー状態を作り出して

飢餓状態を模倣し、体にエネルギー危機のシグナルを送る、というものでオンになる言います。

(科学的な内容は本書にしっかりと書かれてありますので、ご興味のある方は是非お読みください)

注目されるのは果糖による、果糖が代謝される際に生じるエネルギーの低下と尿酸の産生、

それらが生存を助ける仕組みになっているということです。

非常に興味深いと思います。

そして以下はサバイバル・スイッチが作用です

空腹感、渇望、採餌行動、摂取量の増加、安静時の代謝低下、脂肪蓄積、グリコーゲン蓄積、

インスリン抵抗性、血圧上昇などなどが挙げられます。

こうしてみると、生きるために、精密につくられていると言ってもいいほどのシステムだなと

本当に驚かされます。

驚くべき体の仕組み

サバイバル・スイッチをオンにするというのは、果糖によってオンされる、そしてそれらは結果的に

多くの脂肪を蓄積するという方法です。

生物の歴史の中で少なくとも二度ほど、絶滅の危機を乗り越えることがで来たのだと言います。

そして、その危機を救ってくれたのは、果糖であるのはもちろんですが、

なんと驚くことに「遺伝子変異」であったのだと言います。

その遺伝子変異は、より少ない果糖で、さらに多くの脂肪を蓄積できるのというものなのです。

その遺伝子変異とは?

ではその遺伝子変異は一体どんなものかというと

「ビタミンCを自ら作る能力を不活性化する」というものなのです。

ビタミンCといえば、私は人間にとって必要な栄養素であるというイメージがあります。

ビタミンCの重要な作用というと抗酸化作用、つまり体を酸化ストレスから守ってくれるという

重要な役割があります。では何故そのような重要な役割をなくす必要があったのでしょうか?

ビタミンCを作れないとどのようなことが起こるのか?

その答えを知る前に、サバイバル・スイッチがどのように起こるのかを知る必要があります。

サバイバル・スイッチは果糖によってオンされます。果糖を摂取すると尿酸が産生され、

尿酸はエネルギー工場であるミトコンドリアに酸化ストレスを与えます。

酸化ストレスは、ATP(簡単にいうとエネルギーの供給源)の再生を低下させ、

カロリーを脂肪に変えます。酸化ストレスはまた脂肪の燃焼を低下させ、

それによって代謝をさらに低下させます。つまり、体脂肪を増やすシステムを引き起こします。

なんとなく気がついたかもしれませんが、端的にいうと酸化ストレスが脂肪に結びついているのです。

酸化ストレスから体を守ってくれるビタミンCが存在してしまうと、脂肪を増やすことが

できなくなるということです。

私たちの種が生き残るために、脂肪が重要で、それがうまく働くシステムの遺伝子変異がこうして

現代にまで残っているということです。つまりこの原理が現代では「肥満」という好まない形に

なっているのです。

まだまだあるサバイバル戦略

それがなんと私たちが好んで食べているものそのようなものに含まれており、

それらによって、なんと私たち自身が「果糖」を作り出せることができるというのです!

それは「ポリオール経路」というのだと言います。

それはブドウ糖をソルビトールという物質に変化し、それがさらに果糖になるのだといいます。

これらは、高ブドウ糖濃度によって引き起こされるのだといます。

それが引き起こされるのものとして、「炭水化物」「高塩分」なのです。

そして驚くことに

旨み成分であるアデニン酸、グルタミン酸、イノシン酸がサバイバルスイッチを作動させる

効果があるというのです。

私たちが何気なく食べているものそのようなものに、知らぬまにサバイバルスイッチを押してしまう、

もしくはその作用に関与するものがたくさんあるということになります。

私の感想

今までのことを踏まえて私が思ったことは

普通の生活を行っているだけでもしかしたら肥満を引き起こしてしまうのかもしれないということ

私たちは「生きる」ということが、遺伝子レベルで作り上げられているのだということ

そして、それらシステムは、私たちが作り上げてきた急速な環境の変化には対応しきれていないこと

を感じました。

私たちの身体、生きるということを中心としてつくられた、絶滅せずに生き延びられるように

変化した、もしくはそのようなものが生き残ったというような状態なのかもしれません。

しかしながら、現在ある私たちが作り上げた生活というのは、絶滅するかもしれないという世界とは

大きく異なっています。

食生活はもちろんのこと、いろいろなことが劇的な変化をもたらしています。

例えば、私たちが日常的に食べているであろう「白米」や手軽に食べられる「パン」

なども、炭水化物です(本書に詳しく書かれていますが、大量に食べると高GI値という

血糖値を急激に上げるつまり、果糖を自ら作ってしまうことになる)

そしてこのような食べ物がたくさん存在しています。

それらの環境に、私たちの体が追いついていないのです。それらは以前考えていた「怒り」に

関していろいろな本を読んでいた時に、心理的なものも、昔の環境に適したもが今もなお

続いているということが書かれていました。

そう思うと、私たちが何も考えずに何気なく暮らしていることが、もしかしたら

現在の環境とフィットしておらずに、不具合や過剰な反応が生じてくることも多い

のではないかと思います。

だとしたら、自分自身で何が最適なのかを選んでいくということが必要なスキルとなっている

のかもしれません。

肥満ということから、脂肪が実は生き残るという意味において重要であり、

しかし人間にとっては、過剰な反応として、メタボリック症候群や肥満そしてそれらから派生して、

いろいろな病気になってしまうのだという、不思議な現象が起こっているのだと知りました。

そうして、人間の変化、そして私たちがそれに対してどのようなアプローチを取るべきなのか

という周りの環境全体を見渡すことにつながったように思います。

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