肥満は良いもの?!視点を変えてみてみるとー『肥満の科学 リチャード・J・ジョンソン』

白いデジタル体重計の上に立ってる人

私たちはなぜ太るか?肥満の疑問というのは、多くの人が考えることではないでしょうか?

肥満は見た目だけではなく、私たちの健康にも影響してしまいます。

メタボリック症候群、通称メタボは何か肥満と関係している言葉として連想されます。

太り過ぎないようにしようと思うのに、どうしても食べてしまう。

誘惑だらけのこの世界で私たちが太らないわけがないとも思います。

では、どうしてヒトは太ってしまうのでしょうか?

今回はそのことを科学的な視点から見た本

『肥満の科学 ヒトはなぜ太るのか リチャード・J・ジョンソン 中里京子=訳』

を読み面白かったことを中心に書いてみようと思います。

太ることのいいこと

私にとって、太ること、肥満はマイナスな言葉のイメージとしてあります。

冒頭でも書いた通り、健康にに良くないイメージですし、メタボリック症候群などは肥満と

関連する言葉で浮かんできます。

本書第一章から非常に興味深いことが書かれてあります。

自然界において肥満は望ましくない状態ではない p33

但し書きで「自然界」とありますが、肥満は望ましくない状態ではないと聞くと何か目から鱗のような

感じもあります。ではどうして望ましくない状態ではないのでしょうか?

ではどうしてなのか?

その答えはズバリ「生き抜くため」なのです!

肥満は動物にとって、死をもたらしかねない冬、干ばつ、自然災害を生き抜くための救世主なのだ。p33

動物が冬眠をすることを考えると、わかりやすいかもしれません。

冬眠している間、動物は飲まず食わずです。ですがきちんと生きている。

これはまさに脂肪がなせる技なのだと言います。

冬眠中の動物は、秋の間に大量に食物を摂取し、脂肪を溜め込み、

さらに、消費エネルギーを減らすため、代謝の速度も低下させて冬に向けて充備

しているのです。そうして溜め込んだ脂肪を少しづつ使用しながら、生きているのです。

脂肪から作られる驚きのもの

冬眠の話からもわかるように、脂肪は分解されると生きるためのエネルギーになります。

ですが、エネルギーだけではなく、さらに驚きなものが作られるのです。

なんと脂肪が分解されると、生きるためのエネルギー源となるだけではなく

水分を供給することができるのです。

これはまた驚きました。ですが砂漠にいるラクダを思い出すと納得いくかもしれません。

ラクダのコブは脂肪でできています。そのラクダのコブの中の脂肪を燃焼させると、

その副産物として水分ができる。砂漠という水の少ない地域を生き抜くことができるのは

この脂肪からできる水分があるからだと言えるのではないかと思います。

脂肪の他の役目

脂肪は蓄えるというイメージがあると思います。ですがそうではない他の重要な役目もあります。

それは「使うエネルギーを減らす」ということです。

先ほどの冬眠の話で、秋に食料を体に溜め込むと同時に、代謝速度を低下させているということを

書きました。その低下させているのは、まさに「脂肪」のおかげなのです。

つまり、低電力モードにシフトしている状況なのだと言います。

これも、生きる延びるのに必要なことなのです。

その仕組みに「インスリン抵抗性」というものがあります。

私たちのエネルギー源として「ブドウ糖」というものがあります。

これは筋肉、肝臓、そして脳にとって大切なものです。

通常の流れとしては、ブドウ糖は、血液に混じって運ばれ、それらの臓器にブドウ糖を

取り込ませるためにインスリンというホルモンが必要です。

ただし例外として、脳一部はインスリンというホルモンなしでブドウ糖を取り込むことができます。

では、飢餓や冬眠という時、低電力エネルギーモードの際は、

なんとインスリンの働きを悪くすることで、筋肉や肝臓にブドウ糖の供給減らし、

脳にブドウ糖を取り込めるようにするのです。

脂肪を蓄える場所

ここでさらに重要なことは、脂肪を蓄える場所です!

通常では、脂肪は脂肪組織と呼ばれる部分、例えば腹部、背中、尾などが体の色々な部分に

蓄えられます。

しかし、冬眠だとか飢餓だとかの場合は、

なんと中性脂肪やコレステロールとして肝臓や血液中に蓄積する

のだというのです。

まさにメタホリック症候群の状態が作り上げられるのです!

動物たちは、冬眠が終わると自然とメタボリック症候群の状態を解消でき、

通常の状態に戻ることができます。

しかし、恐ろしいのはヒトの方です。ヒトはリセットされることなく、ずっと体は冬眠状態、

つまりメタボリック症候群がどんどんと進行してしまうということになるのです。

つまりこれが肥満なのです。

人間にとっては。。。

自然にとっては脂肪は望ましくないものではないということがこれでよく分かったのではない

でしょうか?脂肪自体は緊急に備えて、冬眠という時代に備えて重要なものでした。

人間にとっても、かつては非常に重要だったのです。

ですが現在はその重要なシステムが異常事態ではないにもかかわらず常に発動している

状態であるというなんともいえない状態になっています。

私が思ったこと

今回は自然界の動物の視点で見てみると、自然の中で生き延びるのに適したシステムだということが

に驚かされました。人間にとって良くない状況「メタボリック症候群」もまさか、生き延びるための

システムだとは思いもよりませんでした。こうした異なる視点からものを見ると非常に面白いなと

いうことがわかりました。

そして、私たちは周りの環境が大きく変わっているけれども、人間の体自体は、

飢餓の時代を経験していた時のままであるということも非常に興味深いことだと思いました。

では私たちは太り出したのかということをもう少し本書に基づいて見てみたいと思います。

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