今回読んだ本「他者の靴を履く ブレイディみかこ」です。
私が今注目していること「エンパシー」について深く書かれている本です。
さらに言えば、私が「エンパシー」という概念を知るきっかけになった、著者ブレイディみかこさんの
本で、個人的にはかなり楽しめながら読めました。
その本で読んで学んだことなどを書いてみようと思います。
今回私がびっくりしたこと
「エンパシー」については以前ブレイディみかこさんの別の本で知りました。
そしてその力を自分も会得したいと思っていました。
そんな中で、この本に出会え、さらに「エンパシー」を深く知ることができました。
そして今回びっくりしたことがありました。
それは
エンパシーにも色々な種類があるということ
エンパシーもある力が不足していると危険な考え方になる可能性もあるということ
アナーキエンパシーという考え方
でした。
エンパシーにも色々な種類がある
そもそもエンパシーとは何かを本書から抜粋すると
エンパシー(empathy)・・・他者の感情や経験などを理解する能力
「他者の靴を履く ブレイディみかこ」
とあります。
そしてエンパシーに似た言葉として、「シンパシー」というものもあります。
「シンパシー」も他者の感情に関することだけれども、それは能力というよりは、
自分の内から湧き上がるものであり、自ら自発的に身につけるものとは異なるものだそうです。
日本ではその辺りの言葉の意味が曖昧であり、どちらのことを指しているのかわからないことも多いと
いうようなことも書かれてありました。実際、私自身、この定義を知るまでは曖昧でした。このような
言葉の定義が曖昧であると、その中身がきちんと伝わらず結果として、たとえ、意義のある内容もうま
く伝わらないのかもしれないと感じました。
さて、話が変わってしまいましたが、そんなエンパシーにもさらに種類があるというのです。
①コグニティブエンパシー
②エモーショナルエンパシー
③ソマティックエンパシー
④コンパッションネイトエンパシー
と本書にはありました。詳しいことは本書を読んでもらうのが一番ですが、
私が理解したものをまとめると以下のようになります。
①コグニティブエンパシーは上記に書いた「エンパシー」の定義に一番近いもので、
「スキル」として体得できるもで、より相手の考えを正確に想像できるようなものである
というものだと思います。
②エモーショナルエンパシーは上記に書いたシンパシーの考えに近く、日本語で言う「共感」と近しい
ものだと思います。③ソマティックエンパシーは、②に近く、その中でも特に「相手の痛み、苦しみ、
苦悩」により強くなったものだと言います。
④コンパッションネイトエンパシーは他者の考えていることを想像、理解すること、感情を理解すると
いったエンパシーで完結するのではなく、何らかのアクションも引き起こすものであるようです。
本書で、取り上げているエンパシーは①コグニティブエンパシーです。
そして本書でよく比較対処として出てきていたのが②エモーショナルエンパシーです。
上記に書いた通り、エモーショナルエンパシーはいわゆる「共感」「シンパシー」と近いにアンスがある
と思います。それをもう少し詳しくみてみると、コグニティブエンパシーとエモーショナルエンパシーに
は大きな違いがあることがわかりました。
二つのエンパシーの違い
それに大きく関わっているのは、
ミラーニューロン(別名「モノマネ細胞」とも呼ばれるもののようですが)によるもののようです。
その影響を受けた場合にあるのが、②エモーショナルエンパシー。
脳内のミラーリングという機能に誘導されるがままに、意識なくとも湧き上がるものだと思います。
一方、①コグニティブエンパシーは異なります。本書を引用すると
人は単に「好きか、嫌いか」「楽しいか、悲しいか」というような浅い感情に留まらず
(または縛られず)、深みのある洞察を行う努力をするのだ
「他者の靴を履く ブレイディみかこ」
とあります。
つまり、自然に湧いてくる感情によるのではなく、自分でしっかりと考える必要があるということ
だと思います。だから、コグニティブエンパシーにはしっかりと考える時間が必要です。
このように同じエンパシーとありますが、大きな違いがあります。
私はエンパシーというスキルを会得したいと思っていましたが、大きな違いがあることは
知りませんでした。もしかすると、この辺りあたりが混ざり合った曖昧なまま状態のまま、
曖昧なスキルを会得しようとしていたのかもしれません。
ですが、今回こうして知ることにより、私が会得したいのは「コグニティブエンパシー」だなとわかり
ました。そして、「今はどちらのエンパシーなのだろうか」と一度立ち止まるということを
学んだように思います。
次回は別の驚いたことに関して書いてみようと思います。
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