「32歳。いきなり介護がやってきた。あまのさくや」から見た光

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前回に引き続き、「認知症」について書かれた本を読んでみました。

今回は、実際に介護を体験した方のエピソードを読んでみました。

今回読んだ本

今回は
「32歳。いきなり介護がやってきた。あまのさくや」

Amazon.co.jp

さくやさんは、お父さんが認知症、お母さんががんになってしまい、

二人の介護をするということになったその方のイラストエッセイです。

実際に介護というものがどのようなものか、私想像するよりも大変なことなのだろうと思います。

なので、実際に体験された方の本を読むことで、何か知ることができるのではないかということで

読んでみました。

介護というものが、どのようなもので、どのような気持ちを抱えているのか、

さくやさんの壮絶な体験や思いが読みやすく書かれてあって、するすると読むことができました。

そんな壮絶な体験の中で、さくやさんが見つけた光のようなものを

いくつか感じたので、その光について書いてみようと思います。

苦しいときに救ってくれたこと

さくやさんが介護を通して苦しんでいるたのは、認知症のお父さんに優しくできないことでした。

何度も同じことを聞かれて、うんざりして、そんな自分に嫌悪感を感じて。。。

さくやさん自身もお仕事もあるし、そもそも介護の方法もわからない中で疲労もたまる。

そのシーンを読んだときに、私がふと思ったのは、なんとなく子育てと同じ部分があるなということでした。

子育ても、優しく子供に教えてあげたいのに、自分のことで精一杯だったり、何度も同じことをされたり、

赤ちゃんの時なんて、まともに意思疎通ができずに、どうしたらよいのかわからない。

その気持ちをどこでどう発散したらよいのかわからない、、、その気持ちがなんとなく共通だと思いました。

なので、この何とも言えない心の葛藤がわかるような気がしました。

そんな中で、さくやさんが発見した苦しいときに救ってくれることは

「今日あったことや自分の気持ちを書くこと」とありました。

そうすることで、客観視できて、自分を励ますことができると

自分を励ますってなんて素敵な言葉だろうと感じました。

自分が赤ちゃんと生活していた時を振り返ると、このどうしようもない心の状態が続いていると、

自分自身をダメに感じたり、マイナスな気持ちになったりと、どんどんダークサイドに

引っ張られていたなと思います。どんどん孤立していくというか。

だからこそ、そんな自分を励ますこと。

これって簡単そうで意外とできないし、気が付かない視点だなと思いました。

さくやさんが、苦しみながら、そのような視点を見つけたことが光であるし、

こうして読者にも光を与えてくれているように思いました。

その人のことを自分が覚えておくこと

さくやさんが本文で、

「父が自身のことをわからなくなっても、あなたはこんな人だよと、父にまた教えられるように」

と書いています

さくやさんの場合は、お父さんが認知症なので、人よりも速いスピードでいろんなことを

忘れていってしまいます。

ですが、さくやさんのこの言葉を読んで、私はこれは認知症であるさくやさんとお父さんだけでなく

全ての人にあてはなる事なのではないかと思いました。

私は、そのようなことを深く考えた事がありませんでした。

ですが、さくやさんのように、特別な体験をしたからこそ、見つけ出した、感じられたこと

なのかなと思います。それが二つ目の光だなと思いました。

そんなさくやさんの言葉から私が思ったことは、

私達がいろんな人と生きてく目的の一つとして、

その人のいろんなことを覚えておくこと、

その人の思いや何かを伝えていく、

そしてそれを自分の中に持って生きていくこと、

なんだろうと思ったりします。

その人がその人でいてくれること

さくやさんの書いた言葉で印象的な言葉があります。

色々なことを忘れていく認知症のお父さんの時々出てくるお父さんが依然していた仕草を見て感じた事。

それは

「父と二人の生活は たまに悪くないなと思えるのは 父が父でいてくれたおかげだと思う」

という言葉があります。

認知症であっても、お父さんらしさが残っていて、その姿を見た時に良かったと思えるさくやさん。

それはお父さんの中にお父さんらしさがあり、それと同時にさくやさんの中にも、お父さんの姿が

きちんと刻まれており、それが共鳴したときにはじめて心が震える、動かされる瞬間

だったのだと思います。

そう思うと

「その人」の核のようなものに触れたとき人は救われるのではないか、

もしくは「その人」の核、言い換えれば「その人らしさ」をたくさん触れたときに、

何かしら自分の心に変化をもたらすのだと思います。そうしたことを思うと、

その人の行きざまなようなものを、養分のようにして自分の取り込んでいき、

それがまた新たな自分自身を作っているということになるのではないかと思ったりします。

そうであれば、その人のことを知ろう、覚えておこうという気持ちは、ただの記憶というよりは、

その人のそういった養分をぎゅっと絞って絞って得たいということなのではないかと思ったりしました。

そのような意味でいえば、「その人」は常に自分の中にあり続けるのではないかと思ったりします。

それと同時に、その人がその人であるというのはどういうことなのか。

そのことについても考えさせられるなと思います。

最後に

介護というものは、想像以上に大変な事だろうと思います。

ですが、そんな中でも、さくやさんがいろんな光を見つけて前向きに進んでいる姿に勇気をもらいました。

子育てでも似たような部分があるなと感じるのですが、今回のさくやさんの本から得た光を、

子育てでも生かせたらいいなと思っています。

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