「ちひろさん」を見て考えたこと:現代のヒーローではないのかということ

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今回私は「ちひろさん」という映画を見ました。

何気なく見たこの映画。とても心地いい映画でした。

ここで私が感じたことは、ちひろさんは現代的ヒーローではないかということです。

どうして私がそのように感じたのかを書いてみたいと思います。

一部映画のネタバレになる部分もあるかもしれませんの、ご注意ください。

「ちひろさん」見たよという方、ぜひ良ければご意見を聞かせていただければと思います。

 

ヒーローって

まずはヒーローの定義とは一体何かについて書いてみたいと思います。

ウィキペディア(Wikipedia)によりますと

ヒーローとは、英雄のことと、神話物語などの主人公のこと。

ヒーローの多くは、普通の人を超える力・知識・技術を持ち、

それらを用いて一般社会にとって有益とされる行為、いわゆる救世主としての行為を行う。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 参照

ということだそうです。

私が今まで持っていたヒーローのイメージと合致します。

悪を倒して、善が勝つというような、何か激しい感じであり、境界線がはっきりとしている。

何かはっきりとした目的、意思(誰かを倒すだとか、誰か困っている人を助けるだとか)

を持っているそんなものを想像します。

具体的にはスーパーマン、アンパンマン、などなどです。

仮に昔のヒーロとしておきます。

その定義で言えば、「ちひろさん」は全くヒーローではないじゃないかと思われるかもしれません。

何か目的をもって、特殊な能力で何か敵をやっつけるというようなことはしていません。

でもちひろさんは、いろんな人を救っている。

ではなぜ私が「ちひろさん」を現代のヒーローと思ったかについて書いてみたいと思います。

 

令和のヒーローと思った理由

1、昔のヒーローのような圧倒的な力などを持っていない人が、人を救っているというところ

2,圧倒的な悪ではなく、社会にそっと横たわってる問題を救った

ここから私は、ちひろさん現代ヒーロー説を詳しく解説してみたいと思います。

 

1、一般的な人が人を救っているというところ

ちひろさんは、とんでもない力とか圧倒的な正義とかそんな力はもっていないです。

むしろふわふわと漂っているような、流れのままに流れているような感じがします。

力というような激しいものを感じないのです。

私が受けた印象は、空気、のような感じです。

先ほどは一般的な人と書きましたが、逆にそれが彼女の力と言えるのかもしれません。

「空気」のような感じを持っている人は、多くの人にはないものではないかなと思います。

実際に映画にでてくるセリフで

「人の心を独り占めすることなんてできない」

 

「人にも自分にも期待しないって決めたら少しだけ楽になったんだ

この言葉からも分かるように

力で何かしようという感じが全くない。そして何かを動かそうというような感じがしません。

流れのままに、あるがままにという感じがします。

 

さらに言えば、彼女は万能であるわけではないのです。

もちろん昔のヒーローたちも万能ではありません。

アンパンマンであれば、顔が濡れると力が出ません。

ですが、すぐにアンパンマンの新しい顔ですぐに元気になる。

でも「ちひろさん」は水の底でそっと眠る金魚のように動かないことだってある。

自然の流れに任せている。またまた映画の中のセリフで

「もがかなければ浮かぶんだよ ジタバタするから沈むんだ」

とあります。この自然に任せる感じも今までのヒーローとは違うように感じます。

そして人を救う方法も、動かすのではなく、繋げる。

 

2,圧倒的な悪ではなく、社会にそっと横たわってる問題を救ったころ

現在の世の中の特徴の一つに、孤独ということがあるのではないかと思います。

学校や家庭でなんとなく自分の居場所がないような感じがあるというようなことです。

大きな問題ではあるのだけども、昔のヒーローが出てくるような二項対立ではないという感じです。

ひっそり、のっぺりと横たわっているような問題です。

映画の中でもそのような問題を抱えている人たちが出てきます。

孤独でありたい時もあるけれど、自分と波長の合う人と一緒にいたいという感覚。

ちひとさんは、それぞれの波長に合う人同士、

映画で言うなら、同じ星と星を

をそっと繋げている。

そんな現代の問題を、「ちひろさん」がささやかながら救っていると感じたのです。

私たちもヒーロになれるかもしれない

「ちひろさん」は気が付くと、それぞれのひとびとにそれぞれの星にあった人々を繋ぎ、

そして去っていく。決して、過剰に何かを与えるのではない。

水に浮かぶように、風に吹かれるように、、、

「ちひろさん」には、昔のヒーローのような圧倒的なパワーがないけれども、

それとは異なる力でいろんな人を救っている。「ちひろさん」の(私が感じたパワーですが)

空気のような、水に浮かぶような流れのままのような力は彼女独特のものです。

だから「ちひろさん」のような形で人を救うことができるわけではないと思います。

ですが、昔のヒーローがヒーロであると思うと、ヒーローになる事は不可能に感じられます。

でも「ちひろさん」に出会ったことで、私たちも自分それぞれの独自の力で、

誰かのヒーローに慣れるかもしれません。そうやって現代の社会を変えていくことが出来ると思います。

もしかしたら、現代は圧倒的な力やパワーで何かを成し遂げるというよりは、それぞれの持っている力で

何かを変えていく時代なのかもしれないと思いました。

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