最近、人間とAIの違いは何か、人間とは何かということを考えています。
そんな中で、目に入ってきた本が
「WHAT IS LIFE?生命とは何か」
ポールナース(著) 竹内薫(訳)
です。
ポールナース氏はノーベル生物学・医学賞を受賞された細胞生物学者の方だそうです。
人間から少し視野を広げ、生命とは何かとしることで、人間とは何かと見出せるのではないか
と思いこの本を読んでみました。
結果から言うと、生命がすごく神秘的なものであり、かつ奇跡なものであるということを
知ることができました。
さらに、別の視点で私が感じたことがありましたのでその事について書いてみようと思います。
この本のここがすごい!
この本を読んで私が感じたすごい部分を挙げてみたいと思います。
物語のような心に響くものであったところ
結論に辿り着いたときに受けた感動が大きかったところ
この三点です。
1,2に関して
私はこの本を始め見た時にに、生物の内容が書かれてあるということ、
教科書のような少し無機質で、難しくかたい内容なのでは?
ノーベル賞を受賞させるような方が書かれた本だから、知識ゼロなら難しくて
飽きてしまうのではないかなと思うような気持ちがありました。
しかしながら、実際はそのようなことはなかったです。
例え生物を知らなかったとしても、著者の体験に基づいた内容であったりし、
著者の言葉の節々に、生き物を慈しむような表現やそのような雰囲気を
感じさせる文章が多くありました。
生物の本というよりも、生物の物語の世界に入り込んだような、何か優しいものを感じました。
そして、より生物が身近なもののように感じられたように思います。
地球上の生物はみな共通祖先から進化したとか、進化系樹形図などを教科書などで
見たことがあるかもしれません。私もおそらく生物の時間に習ったのだと思います。(記憶曖昧)
でも、その当時はそれ程衝撃を受けてなかったのでしょう。
感動したり、記憶に残っていればきっと覚えているはずです。
ですが、今回この本を読んで、科学的物理的根拠そして著者の生物への慈しみのようなものを感じて、
この二つのことが混ざり合って、これがどれだけすごい事なのかが伝わってきたように思います。
それがこの本のすごいなと感じたところです。
3に関しては
本書で、
この地球上にいる生き物は、実に多様である、
しかし、多様性も、別の視点から見れば共通の部分が多い
生命の化学的基礎におけるこうした深い共通性は、驚くべき結論を示している。
ということが書かれてありました。
そこで私が感じた事は
同じものを見る時に、そのスコープの解像度をあげたり、下げたりすることで
一見同じだと思ってカテゴライズされていたものも、実は同じ部分があったり
そうではない部分がある。そのような視野の倍率、角度をかえるということで
新しい考えを持てるようになる可能性、また新たな発見を見出せることに
繋がるのだと分かりました。
生物の本でありながら、この本の世界にどっぷりと惹かれて、尚且つ
この地球の生き物の奇跡を知ることができて、とてもいい体験が出来たと思います。
知る事の重要性
この本では、地球上の生物の共通点を知るまでに、生物の基礎知識のようなものが
分かりやすく書かれてありました。
ここで私が思ったのは、一見するとつまらないと思われるような基礎知識ですが、
その事を理解したからこそ、本書の結論に引き込まれたように思われるのです。
つまり、いろんなことを知る事で、もっと大きな何かに出会うことがある。
そのために知る事というのはとても重要なことだなと思ったのです。
そう思うと、いろんなことを知る、勉強する事というのはいろんなものを
繋げてくれるネットワークのようなもののようにも思えてきます。
最後に
今回、人間とは何かという問いの解答には直接的には関係ないような内容だったかもしれません。
しかしその問いに近づくために、改めていろんなことを知るということが、
そこに通じていくツールになるということを知ったように思います。
またこのような事を考え、いろんな事に取り組む事こそ、これこそが”人間”というもののようにも思います。
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