人間らしさとは何か、ゴリラから考える

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前回私は人間らしさとは何かを考えました。

その中で人間らしさを知るためには、人間とは異なるものから、

何かヒントが得られるのではないかと考えをめぐらせました。

そこで、人間に近いゴリラのことを知れば何かしら分かるのではないかと思い

本を読んでみました。

今回読んだ本

「人生で大事なことはみんなゴリラから教わった 山極寿一」

ゴリラの事なら、山極先生の本ではないないかと思いこの本を手に取りました。

結果としては、ゴリラから人間とは何かを知るというよりは、人間の忘れていたものを

気づかせてもらったような気がします。

そこから気が付いたことを書いてみようと思います。

私が興味深く感じたところ

ゴリラがよく遊ぶ動物である

本書に書かれてありましたが、遊ぶということは、非常に高度なレベルを要求されるもののようです。

何も考えていませんでしたが、確かにいろんな力を要求される行為です。

小さい子供と年が離れた子供が遊ぶ場合、相手の事を理解して、力の強度を調整したり、

小さな子供で遊べるようにルールを変更したり、そのやり取りをする能力も必要になるでしょう。

それに近い事をゴリラはしているというのです。

いろんな能力を総動員出来る知能のようなものも必要だろうし、

尚且つ互いに楽しめる環境というのは、お互いを信頼していることや、

平和な環境でなければできないことだと思います。

環境が整っていなければ、そもそも遊びという発想にもならないだろうと思います。

ゴリラの世界にも、そのような環境が広がっているのだと初めて知りました。

そして、山際先生は、

この遊びが楽しいつきあい方を学ぶ場だということを教わった

と書かれていました

幼いころ、私たちは自然とそんな人との付き合い方を学んでいたように思います。

共に同じ時間、同じ空間をともに楽しむ。そしてそこから他者からの付き合いを学ぶ、

しかしながらいつしか、そのようなことが薄れていっているような気もします。

コロナなどの影響から、同じ空間に集うというようなことも少なくなっています。

人間とは、他者とのかかわりの中から生まれてくるもの、発展していくもの。

これらを考えてみると、AIとこうした生き物の違いとは、

共に同じ時間、空間を過ごし、時間をかけてこのあり方を構築していくこと、

そして、共に互いことを考えながら過ごすことが出来る

という事が挙げられるように思います。

ゴリラは家族で共にご飯を食べる(サルはこのような事はしない)

山極先生は

生きる事は食べる事

そして

人間にとって食事の時間は、信頼できる仲間が集う大切な機会

とも書かれていました。

そして、面白いことに、ゴリラも人間と同じように家族で共にご飯を食べる珍しい動物であるようです。

私が今まで思っていた動物の食事というとなんとなく、物を分けて食べたりするというよりは、

自分のものをキープして他のものにとられないようにしておく

というような食べ方を思い浮かべていました。

しかし、ゴリラは、人間のように家族でご飯を食べる。非常に興味深いなと思いました。

本書にも書かれてありましたが、

このようなことができるということは、

平和な関係にあるということが前提。人間も、食物というコミュニケーションを道具にして、

団らんという不思議な集まりを創造した

とあります。

ここでも、共に過ごす時間、空間がキーワードとして出ているように思います。

そして、それを人間はその団らんという動物から見たら摩訶不思議なものを作ってしまったわけです。

人間にとってそれが必要であったのだと推測されます。

ここから考えるAIと生き物の違いは、やはりここでも、

同じ時間、空間を共に過ごすということがあげられると思います。

私たちは「信頼」という物語の世界に住んでいる

友達を作るには自分の個性を発揮することと、相手の個性を知ることが大事、

それは言葉や情報だけでは得られない

と書かれていました。

共に顔を合わせ、ともにその時間を共有し、一緒に何かをしながら感じ取るしかない、

言葉ではなく五感を用いた直感が必要であると

先生はおっしゃいます。

今は、どちらかというと、そのようなものと真逆に進んでいるようように思います。

普段から、言葉や情報というものが、自分の中にどんどん入り込んで、

五感で感じるようなことが少なくなっているのではないかと思います。

感じるというよりは、多くを得ようとすることに必死のような感じです。

そこに、息苦しさを感じるようなこともあります。

そして、そこから離れ、自分の五感を使っているような瞬間というのには、

ぱっと力がみなぎってくるような、気持ちが湧き上がってきます。

これも、先ほどのキーワードではないですが、その場に行きその時間、その空間を共に過ごす

に通ずるものがあるように思います。共に過ごすが、人でなくても、その場所の空気感、熱量であったり、

自然であったり、動物であったりなんでもいいと思いますが、リアルな体験。

そうして思うことは、これは情報だけを多く持っているAIには、まだできない、

感じる事のない領域ではないかと思います。生き物の独自のらしさではないかと思うのです。

まとめ

今回は、人間ではない動物から、人間の違いを見つけようとしましたが、

人間の違いというよりは、ゴリラの生き方から、

人間が忘れていたような事を思い出させてもらったように思います。

そしてそこから、私たちが必要なものが何なのか、AIには持っていないものは

何かが少しわかったように思います。

また、私はAIと人間というような2つの視点だけで人間らしさ等を考察していましたが、

AIと生き物というような広い視点でいろんなことを考察していくことも必要なのかなと思いました。

 

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